呼吸のように・・・

俳句のエッセー

蛍烏賊のお話

三月から蛍烏賊漁が始まります。
富山湾は、岸からすぐに深くなっていて、
蛍烏賊の産卵に適しているのでしょう。
蛍烏賊がやって来る頃、つまり
漁が始まるころは、海の水も澄んでいて、
その頃が、もっとも蛍烏賊の発光がきれいに見えるそうです。
それから、だんだんと水も濁ってきて、日の出も早くなり、
漁の初めの頃の美しさは、薄らいでゆきます。
ただ、漁の初めは海も荒く、船酔いは必至。
温かくなってゆくと、海は穏やかになるとのことでした。
長所短所、ありますね。
岸からも見える所に、定置網があります。
今では、生態系に配慮して、産卵を終えた蛍烏賊のみを獲るそうです。
しかも、雌だけ。
雄は、私たちが言うところの、「シーズン」前に、死んでしまうらしい。
蛍烏賊の命は、一年。
産卵という、命をつなぐ営みを終えた蛍烏賊は、
神さまのもとへ行くのです。