枯葉

  女郎蜘蛛枯葉外しにかかりきり   田島 和生

思い浮かべると、笑ってしまう作品です。
枯葉が舞い散る頃、大量の枯葉が蜘蛛の巣に懸かっているのを目にします。
蜘蛛の巣は、見えにくいから効果があるので、
これでは丸見えで、引っかからないだろうなと思うのです。
また、これだけ大量の枯葉が懸かれば、
せっかくきれいに張った蜘蛛の巣も、破れてしまう危険があります。
風は、日毎に強くなってきて、
蜘蛛の巣に枯葉は懸かり、また、大揺れに揺れるのです。
掲句の女郎蜘蛛は、わが巣を守らんと、
必死に枯葉を外しているのでしょう。
小さな命の営みとはいえ、憐れさを感じずにはいられません。
蜘蛛の糸に枯葉がたくさん引っかかっているとは詠まず、
女郎蜘蛛の姿に注目し、思いを重ねているところが優れています。
写生句は、そのままの写生ではなく、
思いを写すのだと、改めて思います。
また、その感性を受け止めるだけの想像力を
読む者は、持たねばならないと思います。