呼吸のように・・・

俳句のエッセー

花畑の花

 花畑の花高ければ蝶高し   田島 和生

「風」主宰、沢木欣一先生がおっしゃいました。
俳句は、「ずばりと詠むこと」。
その通りの俳句ではないでしょうか。
花畑の花は、どれも見上げるほどに成長し、
美しい花を咲かせているのでしょう。
その花へ、蝶が飛んできました。
花へ誘われてきた蝶は、見上げる高さの花へ止まります。
花を仰げば、蝶も仰ぐことだ、
当たり前のようでいて、何かに気づく瞬間のようです。
その何かは、読み手にゆだね、
己が思いも言葉にすることなく、写生で心情を伝えています。
あなたは、何を思いましたか。
俳句の真髄を思わせる一句です。