2016-05-03 鴨帰りゆく 妹子塚はすかひに鴨帰りゆく 田島 和生小野妹子の塚、つまりお墓ですが、 妹子の墓と伝えられているところは、いくつかあります。 作者は大津の方ですので、これは、滋賀県志賀町「唐臼山古墳」でしょう。 巨大な石棺が露出している古墳を、鴨が横切って渡って行ったのです。 これで、鴨は、しばらくこの地を離れますが、 名残を惜しむかのように、妹子の塚を飛びゆく鴨を 作者は見送っていたのではないでしょうか。 「はすかひに」という言葉が、目に見えて 鴨の勢いを感じさせる表現として生きています。