呼吸のように・・・

俳句のエッセー

春眠

  春眠のうつらうつらと遠烏   田島 和生
春眠。
襲ってくる睡魔に、抵抗する術はありません。
少なくとも私は、いつも睡魔の手にとらわれてしまいます。
いけない、寝てはいけない…
そう思いつつも遠のく意識に、烏の声が遠く聞こえます。
遠烏と表現されている烏は、実は、すぐ近くに居るのかもしれません。
その烏の鳴き声が遠く聞こえるほど、うつらうつらとなっていたと
いうべきでしょうか。
睡魔との戦いの一幕に耳にした烏の声の写生句です。