呼吸のように・・・

俳句のエッセー

時雨虹

  野に立てば身を包みゆく時雨虹   田島 和生

野に出て行き、たたずんでいたところ、時雨がきました。
するとたちまち虹が立ち、この身を包んでいきました。
ロマンチックな出来事です。
見上げても美しい虹に包まれて、何を思ったのでしょう。
時雨の虹は、雨が止むと消えてしまいます。
ほんの一瞬であったかもしれない、虹の体験は、
永遠の言葉に詠み込まれました。
感動をとどめた一句です。