呼吸のように・・・

俳句のエッセー

卵立つ

  立春の卵立てりと児ら叫ぶ   泊 康夫

コロンブスの卵を思いだします。
これは、子供たちが、立春に卵が立つという話を聞き、実験したのでしょう。
子供らしい好奇心から、何度も何度も挑戦しているうち、
ついに卵が直立したのだと叫んでいるようです。
子供たちの歓喜する声が届き、思わず頬を緩ませた作者。
それは、かつての自分の姿であったかもしれません。
無邪気な子供たちの声と立春が調和した、
明るさを感じさせる俳句です。