呼吸のように・・・

俳句のエッセー

紙風船

紙風船の思い出は、富山の売薬さん。
置き薬をもってきてくれる売薬さんは、
お土産に、風船をくれました。
その昔は、錦絵など手にして、薬をもっていったそうです。
売薬さんの紙風船は、四角いものでした。
今でも、折り紙で作ることができます。
しかし、一般的なのは、透き通った色紙を張り合わせて、
円形に作った紙風船でしょう。
手にすれば、かさかさと音を立てて、
力いっぱい打つと、破れてしまう代物です。
日本文化の一つ、紙風船は、
ゴム風船の登場で、一般的ではなくなったようです。
風船といえば、ゴム風船をいい、
紙風船は、「紙」という文字を付けて呼びます。
風船を吹くとき、女性は口紅を気にしたりして、うまく吹けません。
その姿も、また、いいものですね。
たった「風船」という季語で、様々な句が出来上がります。
季語の世界の広さに、いまさらながら驚きます。