呼吸のように・・・

俳句のエッセー

雉ネット俳句(9月)

応募作品が、じわじわと増えてきています。
また、作品の内容も良くなってきています。
9月の応募作品の続きです。

佐保 光俊 選
【一般の部】

〈特選〉
亡き父母を姉妹で偲ぶ夜長かな   藤井 薫
 姉妹共通の父母の思い出、あるいはそれぞれの父母の思い出。今は亡き父母の思い出を姉妹で語り合っている秋の夜長である。父母の姿を見ることはできなくなったが、父母は、真実の言葉として、今も生きている。

散り急ぐ日差しの中の萩の花   朝倉 みゆき 萩の花はいつも咲きこぼれているような花だが、その中にも花の盛衰はある。秋の深まりにつれ、咲くよりも散る花の方が多くなり、花の勢いにも衰えが見えてきた。晩秋の萩を、「日差しの中」で散り急ぐ、という言葉で言いとめた。

病室の窓いつぱいの鰯雲   白石 正彦 半年か一年か、少し長い入院生活なのだろう。病室から空の色や雲の流れを見ていて、季節の移り変わりを実感しているのだ。今日は、病室の大きな窓一杯に鰯雲が広がり、少しずつ流れている。

【高校生の部】

〈特選〉
帰り道影と私と赤とんぼ   美卯美卯 

明日は、10月の応募作品です。
お楽しみに…