季語は、その月も季語になるわけでして、
「十一月」も、当然、季語です。
ただ、十一月という季節をどのように捉えるかが問題で、
ある意味で漠然としていますから、
眼目とは別に、主人公を一層引き立てる、
味のある脇役、といった感じを出すのが理想でしょう。
峠見ゆ十一月のむなしさに 細見 綾子
日暮れ見ぬ十一月の道の辺に 原 石鼎
あたたかき十一月もすみにけり 中村 草田男
私の十一月は、
雪の前の季節、雨が過ぎるごとに寒さが増す、切ない季節。
十一月をどのように捉え、受け止めるか、
感性の優劣にかかってきそうです。