呼吸のように・・・

俳句のエッセー

熊笹

熊笹は、お寿司に使われたりします。
あの、幅の広い笹です。
山道に自生していて、花のない寒い季節にも
青々と目を楽しませてくれます。
また、庭に植えられることも、
お寿司用に、栽培されることも多いようです。

雪解の頃、崖一面の熊笹は、風になびき、
波が押し寄せるように笹音が押し寄せてきます。

冴え返る日、熊笹に泡雪が降り、あっという間に溶けて光を返し、
熊笹の崖は、光の崖となって、日の光を放ちます。

季語ではない熊笹ですが、愛着があり、
なんとかして詠んでみたいと苦心しています。

ある時、俱利伽羅峠に一人で出かけ、
静かにあたりを見回していました。
ふと、少し離れた熊笹の根の方からガサガサと揺れ、
こちらに近づいてくる生き物の気配がしました。
夕暮れ時。
慌てて車に乗り込み、一目散に峠道を下ってきました。
犬猫はいません。猪や鹿ならいいのですが、もしや…
不動寺があり、観光地でもありますが、確かに熊は出ます。
人気のない早朝、夕方は、要注意です。

春になり、啓蟄も過ぎ、いろいろなものが目覚めるときです。
注意を怠らないようにしなければなりませんね。