呼吸のように・・・

俳句のエッセー

春光

春の光が、まぶしく感じられます。
桜の開花も告げられて、期待も膨らみます。
今日は春分
これから、季節は勢いを増して、明るくなっていくことでしょう。
春は光のイメージがありますが、
一方で、霞や朧といった、はっきりしない季節感もあります。
季語の持つイメージで、感情を排した文芸である俳句に
感情を感じさせることができるでしょう。
新しい時に、希望や夢を表現しようとすれば、「光」を。
春の切ない思いを言いたいと思えば、「朧」を。
窓に飾られた花一輪でさえ、季語によってイメージが変わります。
心のとらえどころが、そのまま、自分を表しているとも言え、
見るものそのままのようで、人にはそれぞれの感覚があり、個性があります。
その発見も、俳句の楽しみでもあるわけです。
桃の花に積極性を感じた、細見綾子先生のように、
私も春の息吹を存分に受け止め、表現していけたらと希望しています。
雪国に住んでいるためか、春は「光」を強く感じます。
春光を、もっと詠んでみたいと思います。

風吹かず桃と蒸されて桃は八重........細見綾子