呼吸のように・・・

俳句のエッセー

灯は消えず

命はいつか終わります。
誰にも平等に訪れる運命、それは、終わりの時です。
私たちは、誰にも親がありますが、
普通に考えれば、子は親を送ります。
その時は、いつか訪れるのでしょう。
私の両親は、もう天の国へ行きましたが、
友人が、今、母の最期を考える時が来ているとのことです。
癒えぬ病を得て、それはすぐに命を奪うものではなくても、
時間とともに肉体をむしばんでいきます。
何もできません。
ただ、一日一日、目の前のことを懸命にこなすだけです。
緊張と恐怖と不安がひしめく心で、祈りも遠くなります。
しかし、最も辛いのはご本人でしょう。
離れて暮らしていて、お電話の声は若々しくお元気です。
声は、わりに最期まで元気です。
そして、耳は、最期まで澄んでいます。
最期の時まで、み言葉を与えて差し上げたいと願います。
まだ、終わりではありません。
灯は輝いています。
命の喜びを、最期まで失うことがありませんように、
私も、ともに祈り続けたいと願います。

どうか、皆様にも
祈りを合わせていただけたなら、嬉しく思います。