呼吸のように・・・

俳句のエッセー

弁当忘れても傘忘れるな

これは、お天気の変わりやすい地方で言われていることです。
「弁当忘れても、傘忘れるな」
今まで日差しがさしていたのに、
すぐに曇って、たちまち雨や雪に変わる、
これは普通のことです。
午後、日差しが出てきたと思い、
早速、有磯海まで車を走らせます。
しかし、着いたころは、すっかり曇り。
海に浮かぶ立山も、雪嶺と空の境が分からないような感じになっていました。
凪いでいた海は、次第に波の縞模様が見え始め、
海からの風が、冷たく吹き付けるようになりました。
容赦なく吹き付ける風に、防寒着も役に立ちません。
広大な自然の前に、小さな人間は、すぐに退散するほかありませんでした。
…何やっているんだろう…
という疑問がわいてくる、気候。
「弁当忘れても、傘忘れるな」
とは、
「一瞬の光陰、軽んずべからず」
に、とても似ていると思ったりしたのでした…


有磯海に浮かぶ立山


海に漂うほんだわら。