呼吸のように・・・

俳句のエッセー

地の塩

  勇気こそ地の塩なれや梅真白   草田男

「あなたがたは地の塩である。
 だが、塩に塩気がなくなれば、その塩は何によって塩味が付けられよう。
 もはや、何の役にも立たず、外に投げ捨てられ、人々に踏みつけられるだけである」
            (マタイ 5:13)

草田男の俳句は、この聖書箇所から生み出されたのでしょう。
「勇気こそ地の塩」
勇気を失えば、塩気のない塩のように、役に立たない人間になる、と言っているのでしょうか。
いえ、そうではなく、
勇気は地の塩になるのだ、と言うのです。

聖書の言葉は、条件としてとらえると、間違えてしまうことがあります。
この句も同じように受け取るべきでしょう。

マザー・テレサの言葉に、このようなものがありました。
「神様は、あなたに成功してもらおうと願っているのではありません。
 ただ、挑戦してもらいたいだけなのです」
まさに、このことではないでしょうか。
神は、あなたに勇気を持って進んでほしいと願っていらっしゃいます。
成功して、偉くなって、金持ちになって、などと望んではいらっしゃいません。
「ただ、挑戦してみたら…?」
と、おっしゃっているのでしょう。

主は共におられます。
生きて、私と共に歩いてくださっています。
私たちがそれを信じて、一歩踏みだしたときから、
主の御力が、より一層、働いてくださるということではないでしょうか?

「勇気こそ地の塩」
草田男に語らせた、主の思いだと信じるのです。