呼吸のように・・・

俳句のエッセー

紅葉

五年前、維持できなくなって、楓の木を伐採しました。
それから、あちらこちらに楓らしき葉が芽生えて、
それは、柔らかな草のようでもありました。
実生だと気づいたのは、随分あとになってからです。
長い間、私たち家族に秋を楽しませてくれた楓の子供です。
大切にしなければと添え木をして、また一年ほど過ぎたでしょうか。
今は、まだ30センチほどですが、
幹がしっかりして来て、草ではないことを主張し始めているようです。
その楓が、たった30センチほどの楓が、
一人前に色づいて、紫式部の裾に赤くなっていました。
あるものは抜かれ、あるものは枯れて、成長を遂げたのは、
この実だけでした。
これから時間をかけて、大きくなっていくことでしょう。
成長を楽しみに、守っていきたいと思いました。