呼吸のように・・・

俳句のエッセー

石蕗の花

  石蕗の花言葉短くあたたかく   林 徹

石蕗の花が咲き始めました。
黄色い花は、夕暮れには眩しいほどに感じます。
冬の季語、「石蕗の花」は、
寒さの中で、花そのものが、可憐で温かに思います。
雄弁ではない雪国の人が話す言葉は短くて、
しかし、思いやる気持ちに溢れたものだったのでしょう。

伝道百年を記念して、石碑が建てられました。
その周りには、石蕗の花が囲みます。
そして、はや、130年になりました。
この碑も、やがて歴史の出来事となっていくのでしょう。
もう新しいとは言えない石碑に、石蕗が眩しく花開きます。
石蕗の花は古びることなく、毎年、新しい花を見せてくれるのです。
花は語りません。それでも、雄弁に物語る歴史があるようです。

言葉は短くとも、通じる思いがあるのでしょう。
言葉がなくとも、温かな心が分かることがあります。
言葉よりも雄弁に、あなたの行動が語るとも言えます。

石蕗の花は、真心の大切さを思い起こさせてくれるようです。