呼吸のように・・・

俳句のエッセー

小鳥来る

「小鳥来る」、秋の季語です。
レストランの大窓は、近くにそびえる木々の梢も隠れることができません。
遠くへ続く尾根が見えます。
その先の山は、能登へと続いているのでしょうか?
小降りの雨。
それでも元気な小鳥が来て、梢に遊びます。
小鳥が散らす何かを見上げては、その姿を探します。
コーヒーの香りを楽しみながら、
ガラス一枚を隔てて、小鳥の世界は広がっています。
たったガラス一枚ですが、それでも隔たりは小さくありません。
コーヒーの後は、小鳥たちと同じ風の中へと出ていきました。
森の風は冷たく、自然の動物たちのたくましさを、
人間は肌で知るのです。