呼吸のように・・・

俳句のエッセー

恋猫

猫の恋が始まりました。
切なげな声で歩き回る猫。
声だけが響いて、姿の見えない猫。
だんだんと近づいて、
だんだん遠ざかっていく猫の声。
玄関を開けておくと、通りすがりの猫が覗いて、目が合いました。
大きな顔は、白と黒に彩られて、睨んでいるようでもあります。
しばらく見つめ合う猫と私。
家に入りたい様子で、できないと諦めたか、歩き出す猫。
二、三歩脚を運び、また振り返る猫。
見つめ合う猫と私…
なんということはありません。
こんな場面を繰り返し、暖かな日差しの一時を過ごしました。

猫は見ていて飽きません。