呼吸のように・・・

俳句のエッセー

梅雨の晴間

重苦しい雲が、つかの間切れて日が差すと、
解放感に満ち溢れる。
空気が重く感じられて、息苦しく思う草むら。
一方で、涼しい風が通り抜けて、
葉桜が順々に音を立てて揺り動く。
日が傾いたころの梅雨の晴間。
オレンジ色の太陽が、木立を陰にして透き通る。
梢の先は、白い雲と覗いている青い空。
風が来て、木立が揺れ、天空が回転した…
ホトトギスの音に正気に戻れば、
後はいつもの家路があるだけだった。