呼吸のように・・・

俳句のエッセー

うそ寒

いいお天気の日も、夕方から寒さを感じる頃となりました。
日中は、太陽の下で活動していますので、
汗ばむこともしばしばですが、
夕方から一変して、上着が必要ですね。
突然、肩のあたりから震えがくるような、
「なんか冷え込んできたね…」と言って、
首をすくめたり、肩をさすったりする、
そんな寒さを覚えます。

この寒さを、どのように表現するのでしょうか?
「やや寒」「そぞろ寒」「肌寒」
「朝寒」「夜寒」「身に入む」色々あります。
どの季語を選んだらいいのでしょう?

『新歳時記』虚子編(昭和25年)には、
面白いことが書かれています。

「うそ寒」
 やや寒・そぞろ寒等と同じ程度の寒さであるが、
 其寒さを感ずる心持に違ひがあるのである。
 うそうそと寒いのである。
 くすぐられるような寒さである。

うそうそと寒い…なるほど。 
このくすぐられるような寒さというところで選べそうですね。
この寒さは「うそ寒」にしましょう。
「うそ寒」に決定です。

で、どう詠むかは、また次の課題ですので、
また悩まねばなりませんね…