呼吸のように・・・

俳句のエッセー

秋の川

ようやく涼しさを感じるようになりましたが、
日中、太陽の下にいると、まだまだ半袖で過ごせるほどです。
そんな時、秋の川は澄み切っていて、
眺めていると泳ぎたい衝動にかられます。
しかし、九月と違って川の水は冷たくなっていますから、
泳ぐどころか、間違って落ちたりしないように注意しなければなりません。

流れが曲がって行くところでは、川底がえぐられて深くなっています。
水音は雄大で、音ともいえない音を響かせながら、
思いの外、川の水は早く流れていきます。
時々、ぽちゃん…と魚が跳ねます。
水輪が、すぐにさざ波にのまれて無くなります。
また、ぽちゃんと魚が跳ね、水輪がさざ波にのまれ、
小さな渦となって流されて行きます。

川岸一面、草雲雀の鳴き声に満たされ、
その中を赤とんぼが飛び、バッタが跳ね出て、
青鷺がやかましく鳴き、対岸へ飛んでは、また戻ってきて…
生命力溢れる営みが、そこにはありました。

空の鳥、野の花、すべてが命です。
そこに立つ私も、命の一つです。
誰も、一つだけ、命を持っています。
それを大切にしましょう。そして、
同じように他の命も大切にしましょう。
それが命を持つもののルールですね。