呼吸のように・・・

俳句のエッセー

鷹の爪

「売薬さん」をご存じですか?
富山の薬売りですね。
売薬さんと言えば、紙風船でしょう。
お薬を納めに来て下さった時に、お土産に紙風船をいただきました。

その昔は、版画を持っていらしたようです。
色鮮やかな版画を楽しみにして、
売薬さんを待っていたというお話もあります。

富山には、「売薬資料館」があります。
そこには生薬を薬種瓶に入れて、棚に置いてありました。
麝香(じゃこう)、熊胆(ゆうたん)…それらしいものが並んでいます。
その中に、「鷹の爪」がありました。
細長くて赤い色をした「鷹の爪」は、目をひきます。
馴染みのあるそれは、とても身近な存在なだけに、
薬種瓶には似合わないように思えて、なんだか滑稽です。
しかし、生薬なのですね。

「薬膳」という言葉があります。
何より健康は、まず、食事からですね。
病気になってからではなく、また、
サプリメントという錠剤ではなく、
まず、毎日の食事を大切にすること、それが健康の基本だということでしょう。

 ※ 私の記憶違いで、鷹の爪は生薬ですが、
  「売薬資料館」に鷹の爪の展示はありませんでした。