呼吸のように・・・

俳句のエッセー

紫式部

今、庭に蔓延っている紫式部は、
かつて埋蔵文化財センターというところにあったものだ。

母が入院した時、母のために一枝頂いて、
枕元に飾ってあった。
その一枝かどうか忘れたけれど、庭に挿して放置していたら、
いつの間にか大きくなっていたらしい。
ある時、鮮やかな紫の実をつけて
紫式部だと分かったのだった。
それ以来、ずっと実をつけてくれている。

昨年は何本も害虫に冒されたが、
今年は、また枝を伸ばして、大きくなっている。

紫の実は、どことなく高貴だ。
時々、母を思い出したりする。