呼吸のように・・・

俳句のエッセー

アイスクリーム

高校2年生の夏。お昼休み。

誰かがアイスクリームを手に、教室へ戻ってきた。
棒状の細長い、珍しくもないそれは、
しかし、教室の中では貴重品だった。

「どこで買ったの?」 前の通りのお菓子屋さん。
「どこから出たの?」 そこの塀の奥に、ほころびがあって、そこから。

悪いことはすぐに広まり、二、三人ずつ、ぼろぼろと出て行った。

私たちは、なぜか、正面を突破しようということになった。
正門を抜け、職員室の窓の真下を壁に貼りついて蟹歩きをした。

作戦は成功し、アイスクリームはおなかに消えた。

しばらくして、教室のドアが激しく開いて、
友人が駆け込んできたかと思うと、後から生活指導の先生が飛び込んできた。
教室のあった西館に、女の子たちの絶叫が轟いた!

追いかけられた現行犯逮捕のメンバーと、その他大勢が、
職員室へ連行されていった。

食べ終えていた私たちは免れたが、良心が痛んで、すぐに自首をした。
そんなことがあった。
元気のいい女子高のお話。

何だか眠いし、暑い夜は、冷たいものが食べたい。
でも…我慢して…
おやすみなさい。