呼吸のように・・・

俳句のエッセー

紅椿

椿の蕾が開き始めました。

太陽に向かって、
幾重にもなる花弁の先を、解いていきます。

解かれた蕾の小さな隙間に、
太陽の光がまんべんなく入り込んで、蕾の中に満ち、

咲きはじめた紅椿の蕾が、まばゆいばかりに輝いています。

光のオブジェのようです。

太陽は、椿の花を知っていて、
椿の花も、太陽を知っていて、

命の輝きを放っていきます。

咲き競う花々に迷う蝶々のように、
心がときめく季節です。