呼吸のように・・・

俳句のエッセー

残雪

すっかり春の日差しである。

紫外線が気になる季節。
そろそろ、どこかへ出かけたくなる日が多くなってきた。

日向には、雪もすっかりなくなってしまい、
ブーツを靴に履き替え、今日は、上機嫌で出かけた。

まぶしい日差しに目を細めつつも、
解放感あふれる青空を見上げては、歩いていた。

しかし、日陰には雪が残っていたのだ。

人の行き来に踏み固められた雪の小道は、
氷の表面が解けだしたような状態で、
滑りやすい条件が整っていた。

そろそろと足を乗せては、滑り、
踏みとどまっては、また滑る。

5分の道のりを約10分かけて、目的地に着いた。

たったそれだけで、うつろな表情に変わってしまっていた。

おしゃれのつもりが、足元をすくわれたようだった。

おしゃれとは、隠れた努力が必要なのだ。

あまり知られていないけれど…