呼吸のように・・・

俳句のエッセー

春の雨

雨の一日。

今日、病院へ行って来た。

3年前の今日、父が帰天した、その場所へ。

東京から兄が駆けつけるのを待つ病室の窓には、
まぶしいくらいの青空が広がっていた。

それでも気温は低かっただろう。
しかし、寒かったという記憶はない。

病棟の廊下は、こんなに短かったっけ?
もっと、長く、広くはなかったっけ?

記憶は、少し違っていた。
父は、もうここにはいない。

姉と二人、思い出を置いて帰って来た。
温かな、父の家に。