呼吸のように・・・

俳句のエッセー

俳句鑑賞〈夏〉

父の立ち母坐す遺影夏座敷

父の立ち母坐す遺影夏座敷 田島 和生 このお写真は、 お父様とお母様が、一枚に映っているのでしょう。 若い頃、京都へ旅をしたとき、 このようなご夫婦をお見掛けしました。 門前で、お一人が立ち、お一人が座って、ポーズをとっておられました。 タクシー…

足からめ念ずるかたち蝉の死す

足からめ念ずるかたち蝉の死す 田島 和生 落ち蟬、その死を詠っています。「念ずるかたち」として、作者の心情を表しました。俳句は、客観写生が基本です。見たまま、風景の写生をもって作者の心情を伝えます。よく、写真や絵画に譬えられますが、文字であっ…

軍鶏の目のらんらんとして地の炎ゆる

軍鶏の目のらんらんとして地の炎ゆる 田島 和生 季語「炎ゆ」、夏。珍しい句のように思うのは、「軍鶏」と「炎ゆ」にあるのでしょう。「炎ゆ」の雰囲気は、「炎天」や「炎昼」を思っていただけたらいいと思います。その炎える日最中、軍鶏が目をらんらんと輝…

雲の峰力士の如く崩れけり 和生

雲の峰力士の如く崩れけり 田島 和生 「雲の峰」は積乱雲。 夏の季語です。 夏の青空にもくもくと湧きたつ白雲は、 夏独特のものです。 その雲が隆々と湧きたつ姿を、力士に譬えて詠んでいます。 このように、力強い力士を思ったのは、 作者の師である沢木欣…